第二百二十六話:『医者の往診なんて:結び』

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はなもも

はなもも

 

これまで五人の往診患者さんの実像を紹介して参りました。殆どの往診患者さんのケースは、ここに掲げたごとき類型のどれかにあたるのではないでしょうか。皆様はそれぞれのケースについて、どうお感じになられましたか。

 

およそ現代日本の家族の介護力など微々たるものです。にも拘らず、家で死にたいと願うお年寄りは少なくありません。一方、介護する家族は、死の実相を知らなさ過ぎです。

 

百歳近くにもなって、ちょっと熱がでたといっては、慌てふためいて救急車を呼んで、病院へと運び込む。いったい幾つまで生きさせようとするのでしょうか。

 

介護施設で餅を喉に詰まらせても訴訟沙汰になる今の日本です。在宅医療を僅かでも支えている筍は暗澹たる想いでいっぱいです。

「もうこのあたりで・・・」、との悟りができぬものでしょうか。

 

地域の支え合い、助け合いが希薄な今の日本では、家で死にたいと願うお年寄りの願いを聞き届けることは、ひどくストレスフルな過酷な選択肢になりかねません。

 

幸い、私たち日本人は素晴らしい特性を持って居ります。大きな災害が起こると、瞬時に多くのボランティアたちが駆けつけます。この精神が日常的に発揮されるようになれば、より住みやすい、より安心な社会が築けることでしょう。

 

「家で死ぬこと」を地域のみんなで支えることができたなら、生をまっとうすることはより容易くなるでしょう。尊厳を保ったままの終焉を皆で見届けられる社会、それが筍の理想です。

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