第四十話:『高齢者の転倒事故-判例 まとめ』

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           『梅花うつぎ』 

 

 こんな判決を見ると、日本もつくづく「契約社会」になったんだと何やら溜息が出ます。下手なマニュアルをつくるからいけないんですよね。最初から、自力で出来ることは何でも自分でやって頂きます、そのことがとても有効なリハビリにもなるのです、と指導しておけば良かったのですな。なまじ、一日二回は施設側でポータブルトイレの清掃処理をするとしたばっかりにこういった敗訴を招いたのですね。

 この裁判の原告は、95歳とはいえ独歩可能で惚けも無く判断力もそこそこにあるという元気ばあちゃんの転倒事故。でもねえ、95歳なんですよね。自宅でも往々にして転倒事故を起こしかねない十分に高齢のお年寄りです。筋力低下は老化の至極一般的な病態。自宅で転べば「仕方が無い事故」、施設で転べば「注意義務違反」で賠償ですか。良いんですかねえ、こんなことしてて。

 介護職員は多忙です。みんなお年寄りには優しい人たちばかりです。でもね、大勢の入所者がいるのです。とても四六時中は目配りできないのです。勿論、転倒事故への配慮は、耳たこというほどに教育されています。でも一旦事故が起れば、猛省を強いられ、時には叱責され、失職にさえ帰結するのです。大変な仕事です。その割には介護保険のシステム上、給料は沢山は出せません。立ち去り型サボタージュが多くなる筈です。定着する筈がないのです。

 読まれた方々で、何かご意見があれば、是非ともコメント欄に御投稿頂きたく存じます。どうか宜しくお願い申し上げます。

2 thoughts on “第四十話:『高齢者の転倒事故-判例 まとめ』

  • 地域の共同体意識の希薄化や価値観含め、現代社会の医療福祉の理想と現実のギャップは、発展がもたらした犠牲なのでしょうか。
    何とも…本当に物悲しいばかりです。
    でも問題は常に目の前にあります。
    ありすぎて問題が問題として認識出来なくなりそうな時さえもあります。
    どこに向かったら良いのか解らなくても、とにかくどこかに向かわなければいけない。
    そのヒントは高齢者ご本人が握っているんでしょうが、本当に足枷が重たく感じます。
    せめて寄り添い耳を傾け、携わらせていただく以上、日々勉強だなという想いです。
    コメントになっておりませんが、お邪魔致しました。

  • 星降る村の下っ端さん
    日々勉強だなと思えるうちは必ず「進歩と変革」がついてくる筈ですよね。良い医療・良い介護がしたいものですね。

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