第百四十二話:『イヌかPETか その弐』

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一方、PETとはPositron Emission Tomographyの略で、ポジトロンというのは陽電子と云って、プラスの電気を帯びた電子のことです。ポジトロンはマイナスの電気を帯びた普通の電子に出会うと結合して消滅し、ガンマ線と呼ばれる放射線に姿を変えます。このガンマ線はエネルギー・放射方向とも一定であるなどの特徴があり、画像化するのにとても適しています。PETではこのガンマ線を体外から観測して薬剤の体内分布を映像化するのです。

PETは腫瘍の悪性度診断や転移・再発巣の診断、あるいは治療効果の判定に有用性が高い検査です。通常の画像診断(X線CTやMRI、超音波検査など)は腫瘍の形と大きさを見る検査です。それに対してPETは腫瘍細胞の活性、言葉を変えれば、悪性度まで知ることができるのです。腫瘍が小さくてもPETにより悪性度が高い癌であることが事前に判れば、手術の切除範囲を拡大したり、あるいは抗癌剤を併用するなど、適切な治療方針に変更することが可能となります。

また、癌は離れた臓器に転移したり、再発してくることがあります。転移や再発がどの臓器に出現するかを予測することは困難で、従来は可能性が高い臓器に対してだけCTや超音波検査が行われていました。その点、PETは一回で全身を検査できる優れた特徴を持っているため、予期せぬところに生じた転移や再発を早期に発見できる検査として期待されています。さらに癌細胞は死滅するよりも先に活動性が低下するので、PETを使って放射線治療や化学療法の効果判定を従来よりも早い時期に診断することが可能となります。

PETの長所

(1). 良性・悪性の鑑別診断

CTによる腫瘍病変の良性か悪性かの診断

(2). 再発診断

大腸癌術後の腫瘍マーカーCEAの上昇(再発の有無の検索)

(3). 全身病変の検索

悪性リンパ腫や悪性黒色腫の病期決定

(4). リンパ節の質的診断

(5). 治療効果判定

放射線治療や抗癌剤の効果判定

PETの短所

(1). 空間分解能が悪い

ピンボケのような画像

CTやMRIなどの空間分解能の良い画像と対比させる必要性

(2). 炎症巣への集積

例えば肺炎などの炎症部位にも集積する

(3). 診断困難あるいは有用性の低い癌の存在

胃癌、腎癌、尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、肝細胞癌、胆道癌、

白血病など

(4). 微量ながらも放射線被爆の問題

被爆量は人体に殆ど害のない極微量

一年間に自然界から受ける放射線量とほぼ匹敵する程度

(5). 高い検査費用

 

我が家のメイちゃんに癌探知犬になってもらいましょうかねえ。

貴方はイヌ?それともPET?

 

 

 

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