第五十話:『ちちははの記』

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 ちちはは老いたまふ

 ちちはは腰曲がりたまふ

 背戸の茶の木畑に

 夕日かげりて

 ちちはは小さく見えたまふ

 その息子不幸者にして

 肋膜なんぞわずらい

 六尺に寝そべり

 指鳴らすわざ

 習わむとすれど

 その指痩せたれば

 なんでふぱちりと鳴るべきや

               新美南吉 作

 新美南吉(1913年7月30日 – 1943年3月22日)は、日本の児童文学作家。本名は新美正八(旧姓:渡辺)。筍の郷里にもほど近い愛知県半田市出身。彼の温かい作風、筍の大好きな作家・詩人です。惜しいことに30歳を待たず人生を終えられました。今年が生誕百年です。

 

 雑誌『赤い鳥』の作家の一人であり、彼の代表作「ごん狐」(1932年)はこの雑誌に掲載されたのが初出、19歳の時の作品。喉頭結核により29歳の若さで亡くなったため、作品数は多くありません。誠に残念なことです。もっともっと生きて、もっともっと多くの作品を残して欲しかった。

 

 主な作品としては、「デンデンムシノカナシミ」(1935年)、「おぢいさんのランプ」(1942年)、「牛をつないだ椿の木」(1943年)、「手袋を買いに」(1943年)などなど。

 

 

2 thoughts on “第五十話:『ちちははの記』

  • ひとの器の強さ、豊かさはただ年月を掛ければ手に入るものではないんでしょうね。

    そして「欲しい欲しい」言ってれば手に入るというものでもない。

    頭では理解出来ます。
    でも。
    でもなんですよね。

    消せないものは消せない。

    居るべきではないところに、居続けてしまう。

    自分の居場所や在り方を自己覚知出来るひとと、出来ないひとの差は何なんでしょうと思います。

    • 何処かの下っ端さん
       ただただ誠実に、ひとのために、と願って生きれば良いのではないでしょうかねえ。誤る都度に修正すれば良いのでは。Take it easy!

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