第八十三話:『茨木のり子さんへ捧ぐ』

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 例年、立春から雨水が近づく頃になると、いつもある詩人のことを思い出します。

茨木のり子さんです。御命日が如月の十七日。ご自宅でお独りで亡くなられていました。享年七十九歳でした。

いかにも茨木のり子さんらしい御最後で、貴方の訃報に接したときには“いかにも”と関心した記憶があります。あれからもう八年が経つのですねえ。誰にも看取られず、誰の手を煩わすのでもなく、ただ独りで黄泉の国に旅立たれた貴方。「倚りかからず」の詩が示す通りの死に様でありました。

毅然とした、でも、清々しい人生でしたね。戦前から戦後のめまぐるしい時代の激動を精一杯生き抜かれました。日本人の精神の脆弱さを鋭く指摘し続けた貴方の詩に、どれほど多くの若い日本人が勇気づけられたことでしょうか。

筍もその一人です。間違いなく貴方は、私の一番好きな現代詩人でありつづけました。貴方は全く素晴らしき先導者でありました。

いま再び、ここに貴方の詩三編;「知命」、「友人」、「孤独」を掲げて、追悼の誠を捧げるとともに、貴方を偲ぶ縁と致します。

 

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