第七十四話:『浅市のとっつぁん その五』 隣部落の駐在さんに、とっつぁんからの電話が再々掛かるようになったのは、いまから三年程前からのことでした。 「泥棒にお金盗られた」 「隣の爺がおらの家に毒撒いた」 「裏のばばあがおらのうちに火いつけよった」 「みんなが儂…Category生きる哲学Love it 0