第八十二話:『矍鑠たれ、お滝さん その二』

せっかくやって来たのです。診察台に上がってもらいました。型の如くに診察を進めていたら、お滝婆さんがさも気の毒そうに筍に云うのです。 「せんせも因果な商売やなあ。こんな皺くちゃな乳触らないかんし、臭うて穢い爺さんも診にゃな[…]

第五十八話:『わが父のこと その二』

   謝恩会の終了後、外科学講座に入局予定の同級生は教授に引率され、かねて憧れの“北新地”へと繰り出すことになったのです。このため父は独りで私が住むアパートへと帰ることになりました。私鉄の駅から歩いて十五分程の閑静な丘陵[…]

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