“ただちに”もしくは“できるだけ早く”対面診療を受けるべき状態である場合

1.全の症状

(1) 発熱、咳、のどの痛みなどのいわゆる「かぜ症状」があり

ア 新型コロナウイルス感染者との接触がある場合

イ 感染地域へ渡航している場合

ウ 以下の重症化のリスク因⼦がある場合

a ⾼齢者(65 歳以上) b 慢性閉塞性肺疾患 c 慢性腎臓病 d 糖尿病 e ⾼⾎圧  f ⼼⾎管疾患  g 肥満

エ 症状が重い場合

(2) 数⽇間で進⾏する体重減少

(3) 数⽇間で進⾏する体重増加

(4) 数⽇間で進⾏するむくみ

(5) 何らかの症状を伴う⾎圧上昇

(6) 出⾎、排膿、疼痛などがあるしこり

(7) いずれかの部位の強い痛み

(8) めまいや呼吸苦を伴う⾍刺症

(9) アナフィラキシー(強いアレルギー症状)

(10) 外傷

(11) 交通事故・労災事故に起因するすべての症状

2.の症状

(1) 頚部痛で

ア 発熱を伴う場合

イ 四肢のシビレや痛み、脱⼒を伴う場合

ウ 排尿や排便の障害を伴う場合

エ 体動困難な場合

オ 安静で軽快しない場合

カ 体重減少を伴う場合

(2) ⾸のしこりで呼吸苦があったり息がヒューヒューしたりする(喘鳴を伴う)もの

3.胸に関する症状

(1) 急に⽣じた息苦しさ、または呼吸困難

(2) 安静にしていても続く呼吸困難

(3) 急性の激しい咳

(4) 息をする時にゼーゼー⾳がすること(喘鳴)

(5) ⾎痰

(6) 強い、あるいは悪化する胸の痛み/胸が圧迫されるような感じ

(7) 突然始まる動悸

4.お腹に関する症状

(1) 強い腹痛

(2) 強い吐き気/嘔吐

(3) 吐⾎

(4) 便に⾎が混じること

(5) 臍や⾜の付け根(⿏径部)の突出(ヘルニア)

5.腰や背中に関する症状

(1) 腰背部痛で

ア 発熱を伴う場合

イ ⼿⾜のシビレや痛み、脱⼒を伴う場合

ウ 排尿や排便の障害を伴う場合

エ 体動困難な場合

オ 安静でも軽快しない場合

カ 体重減少を伴う場合

キ 65 歳以上で軽微な外傷(転倒、しりもちなど)の後に起こった場合

6.⼿に関する症状

(1) ⼿⾜や関節の痛みで

ア 関節を動かすことができない場合

イ 体重をかけられないほど痛い場合

ウ 変形を伴う場合

エ 発熱、熱感、腫脹を伴う場合

オ 安静でも軽快しない場合

(2) ⼿⾜の⿇痺、脱⼒

(3) 歩⾏困難

(4) 突然の⾜のはれ(腫脹)

(5) ⾜や⾜のゆびの⿊⾊変⾊がある冷感

7.尿・便および泌尿器に関する症状

(1) 疼痛あるいは発熱を伴う尿路症状(排尿困難 頻尿 失禁)

(2) 急性発症の排尿困難

(3) 急性発症の陰嚢部痛

(4) ⾎尿

(5) ⾁眼的⾎尿

(6) 尿量の減少

(7) 排便障害

8.神経系の症状

(1) めまい

(2) 失 神

(3) 意識障害

(4) けいれん

(5) 筋⼒の低下あるいは⿇痺

(6) 12 時間以内のてんかん発作

(7) 感覚の異常

(8) 顔⾯⿇痺

(9) まぶたが上がらない(眼瞼下垂)

(10) 発語が難しい

(11) 呑み込みが難しい

(12) 過去最悪の頭痛

(13) 発熱を伴う頭痛

(14) 突然の視⼒低下

(15) 突然の視野異常

(16) 歩⾏障害

9.⼿術や外傷に関連するもの

(1) 術後の⾼い発熱

(2) ⼿術創の熱感、⾚み、⾎液や膿がでる状態

(3) けがによる傷(出⾎、膿がでる、痛みがある、深いもの)

(4) ⼈⼯肛⾨の異常

10.産科婦科系の症状

(1) 妊娠の可能性がある無⽉経

(2) 妊娠に関連する症状・疾患

(3) 腹痛、腰痛

(4) 性器出⾎

(5) 帯下

(6) 更年期障害と思われる「めまい・頭痛」(<神経系の症状>の項⽬も参照)

11.⽿⿐咽喉科系の症状

(1) ⽚側の難聴や⽿鳴

(2) 強い咽頭痛や嚥下困難

(3) 急に⽣じた嗄声

(4) 気管⽀喘息の重積発作が懸念される呼吸困難・喘鳴

(5) 脳虚⾎を疑うめまい

(6) ⾻折を疑う外傷

(7) ⽿・⿐・喉の異物

(8) ⽌⾎処置が必要な⿐出⾎

12.眼科系の症状

(1) 眼球の外傷

(2) 急性の視⼒障

(3) 急に⽣じた複視

(4) 突然の視覚変化

(5) 突然の激しい眼痛

(6) 急性の充⾎、眼瞼腫脹

(7) 多量の眼脂

13.膚科系の症状

(1) 全⾝症状(発熱、倦怠感、腹痛、息苦しさなど)をともなう⽪膚病

(2) きわめて強いかゆみが持続する⽪膚病

(3) 強い痛みをともなう⽪膚病

(4) ⽔ぶくれがある⽪膚病

(5) 映像ではわからない⽪膚病

(6) ⾃分や介助者が撮影できない部位(陰部、⼝の中、背中など)にある⽪膚粘膜の病気

(7) いぼ、はれもの、できもの、しこり、ほくろ

(8) ⽔⾍、たむしなどが疑われる⽪膚病

上記(1)~(8)に限らず、⽪膚の症状は、病変部の詳細な視診が必要で、それは映像の質に⼤きく依存するため、診療に⾜りる質の⾼い映像が必要

14.児科系の症状

(1) けいれん、意識が悪い(⽴てない、歩けない、⼒が⼊らない、寝てばかりいる、刺激への反応が弱いなど)

(2) 呼吸が悪い(息が苦しい、呼吸しにくいなど)

(3) 機嫌が悪い(ぐったりしている、起き上がらない、やけにおとなしい、顔⾊がすぐれない、笑わない、哺乳をすぐやめる

など)

(4) 脱⽔(半⽇以上⽔分を飲めていない、尿量が明らかに低下し濃くなっているなど)

(5) 低体温症(保温しても改善しない低体温、特に元気がなく息が苦しそうで顔⾊の悪い低体温など)

(6) 熱中症、⾼体温症(頭痛、あくび、吐き気、筋⾁のつっぱり、筋⾁痛、こむら返りを伴うものなど)

(7) 外傷全般(やけど、動物に咬まれた、⼝の中を傷つけたなどを含む)

(8) 異物誤飲(間違ってボタン電池などを飲んだ)

(9) ⽿⿐異物(おもちゃを⿐に⼊れた)など

(10) 強い痛み(頭痛、胸痛、腹痛、陰のう痛、関節痛など)

(11) ⼤量の出⾎、繰り返す出⾎(⾎液を吐いた、⾎便、⾎尿、20 分以上⽌⾎しない⿐出⾎、抗⾎⼩板薬や抗凝固薬を

使⽤中の場合など)

(12) 予防接種後の体調不良

15.精神系の症状

(1) 患者本⼈が診察に同意していない・できない場合

(2) 薬物等の強い影響下にある場合

(3) ⾃傷・他害⾏為に及ぶ可能性が⾮常に⾼い場合、または家族などからみてそう感じられる場合

16.科、腔外科系の症状

(1) 激しい⻭痛や顎顔⾯痛

(2) 顎顔⾯領域の外傷・出⾎

(3) ⼝腔内ならびに顎顔⾯領域の著明な腫脹・発⾚

(4) 神経⿇痺

(5) 悪性腫瘍を疑う病変