ニュースのタイトルは「搬送10分遅れで死亡 長野・須坂の90代男性」。
今月10日の中日新聞に掲載されたものです。
長野県須坂市消防本部は9日、市内の90代男性を救急搬送する際、向かう現場を誤って到着が約10分遅れ、男性が搬送先の県立信州医療センターで亡くなったと発表した。消防本部の問い合わせに対し、男性が入院したことのあるセンターは「治療歴や当日の状態から、遅延が影響を与えたとは思われない」との見解を示したという。消防本部によると、5日午前8時8分ごろ、須坂市に住む男性から「90代の父が倒れている。呼吸はあるが、呼び掛けに応答がない」と119番通報があった。市消防署の救急隊員ら3人が出動し、通報から9分後に到着した住宅はインターホンに応答がなかった。救急隊長が地図を再確認して誤りに気付き、約280メートル離れた本来の場所に到着したのは通報から19分後だった。(中略)男性は同日午後9時ごろに死亡した。田尻俊幸消防署長は「遅延はあってはならないこと。隊員で(行き先などの)声を掛け合う際、必ず復唱することを徹底した。再発防止に努めてまいります」とコメントした。
だいたい、タイトルからしておかしいのではないでしょうか。「搬送10分遅れで死亡」ってなんですか。搬送が10分遅れたから死亡したのでしょうか。超高齢者の心臓発作か、脳神経系の発作の可能性が高いのです。仮に予定通りに到着したとしても、90歳代の男性が意識のない状態で発見され、救急搬送されたとして、いったい何%の確率で救命できるというのでしょうか。おそらく9割以上の確率で死亡ということになったのではないでしょうか。
少なくとも通報19分後には到着して、直ちに救命処置が取られ、救急搬送がなされたのです。病院側のコメントも、救急車の10分の遅延は与語には関係なかったと述べているにも関わらずです。ニュースに取り上げるほどのことですかね。
いったいにこの国のマスコミの感性はどうなっているのでしょうか。感情的あるいは扇情的に煽り放題あおるような記事を書き散らして、それを恥とも思わない。しかもいかにも善人面で社会の木鐸とかなんとか宣う。我は呆れるほかありません。ワクチン接種禍の大騒ぎ、ステロイド・バッシング、最近では、子宮頸がんワクチンのネガティブ・キャンペーンなどなど。誠に枚挙にいとまがありません。
ウエットな記事ばかりでなく、理論的かつ合理的な記事で、社会を啓蒙してほしいものです。少なくとも、「国民を代表して」とか「声なき声を代弁して」などという輩は、私は信用しません。
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