ちちはは老いたまふ
ちちはは腰曲がりたまふ
背戸の茶の木畑に
夕日かげりて
ちちはは小さく見えたまふ
その息子不幸者にして
肋膜なんぞわずらい
六尺に寝そべり
指鳴らすわざ
習わむとすれど
その指痩せたれば
なんでふぱちりと鳴るべきや
新美南吉 作
新美南吉(1913年7月30日 – 1943年3月22日)は、日本の児童文学作家。本名は新美正八(旧姓:渡辺)。筍の郷里にもほど近い愛知県半田市出身。彼の温かい作風、筍の大好きな作家・詩人です。惜しいことに30歳を待たず人生を終えられました。今年が生誕百年です。
雑誌『赤い鳥』の作家の一人であり、彼の代表作「ごん狐」(1932年)はこの雑誌に掲載されたのが初出、19歳の時の作品。喉頭結核により29歳の若さで亡くなったため、作品数は多くありません。誠に残念なことです。もっともっと生きて、もっともっと多くの作品を残して欲しかった。
主な作品としては、「デンデンムシノカナシミ」(1935年)、「おぢいさんのランプ」(1942年)、「牛をつないだ椿の木」(1943年)、「手袋を買いに」(1943年)などなど。
2 Comments
何処かの下っ端
2013年11月12日
ひとの器の強さ、豊かさはただ年月を掛ければ手に入るものではないんでしょうね。
そして「欲しい欲しい」言ってれば手に入るというものでもない。
頭では理解出来ます。
でも。
でもなんですよね。
消せないものは消せない。
居るべきではないところに、居続けてしまう。
自分の居場所や在り方を自己覚知出来るひとと、出来ないひとの差は何なんでしょうと思います。
takenoko
2013年11月14日
何処かの下っ端さん
ただただ誠実に、ひとのために、と願って生きれば良いのではないでしょうかねえ。誤る都度に修正すれば良いのでは。Take it easy!
Write a comment: