第二百五十一話:『ホモ・サピエンスの性』

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ネアンデルタール

ホモ・サピエンス

今から700万年ほど前、我々の祖先はチンパンジーの系統から離れ、約20数種類の原人類に分化した。やがて長い時が過ぎ、ある種は進化を重ね、ある種は淘汰された。こうして、いまから約40万年ほど前になると、ネアンデルタール人が誕生。約20万年ほど前になると、いよいよ我らの祖先であるホモ・サピエンスが誕生した。この両者はやがて、それぞれの生き残りをかけて、最終決戦を強いられることとなった。今から二万数千年前に至って、その戦いに決着が打たれた。ネアンデルタール人は絶滅した。

ネアンデルタール人の脳は、ホモ・サピエンスのそれより大きく、優れた知能を持っていたようだ。でも彼らの脳は、「人格の脳」と呼ばれる前頭葉が小さく、社会性と協調性を欠き、仲間と共存することが不得手であった。個=孤を好む生活を送っていたという。
一方のホモ・サピエンスは、集団で生活する習性が強く、この特性こそがネアンデルタール人との生存競争に勝利をもたらした決定的な特性となった。ホモ・サピエンスの集団には、やがて宗教が生まれ、さまざまな儀式を執り行うようになった。同じ宗教、同じ文化を共有する集団には、より一層強固な連帯感が生まれる。反面、その必然として、部族間抗争が激烈となる。

現在、世界各地で起こっているさまざまな民族間や宗教間の争いの原点がここにある。限られた土地や限られた食料生産の中では、必ず何らかの争いが起こる。自分自身、そして、自分の家族や仲間が生き残るためには、我が種族以外の者たちを抹殺せねばならない。有史以来、延々と続くイスラムとキリスト教徒との宗教戦争、現在のヨーロッパ各国の難民排斥問題、アメリカとメキシコの国境の壁、第二次大戦後のパレスチナ紛争、トランプの「アメリカファースト」と称する孤立主義などなど、いちいち挙げればきりがないほどだ。今、世界に蔓延する全ての紛争は、ホモ・サピエンスの集団の性からなっている。

8月6日は広島原爆忌、明日8月9日は長崎原爆忌。

理性は働かないのか?争いは止まないのか?

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