第二百六話:『情けない』

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同業者の悪口は言いたくないけれど、“とんでも医者”は確かに居るんですな。

 

筍診療所にかかられた60代の女性。倦怠感と無気力、食思不振で受診されました。まずは胸とお腹を目で見て、聴診器をあてて、ついで触ってみました。すると鳩尾(みぞおち)のやや下あたりに何やらしこりが触れるのです。

 

超音波エコーをやってみました。あまり詳細な情報は得られません。膵臓の病気にはエコーはどうも弱いのです。仕方ありません。CTを撮りました。膵体部の腫瘤です。質的な診断はまだできませんが、悪性のしこりの可能性が高いようです。すぐに近隣の消化器内科に更なる精査を目的として紹介しました。もう2ヶ月ほど前のことでした。

 

先日、その病院の病診連携室より連絡が入りました。「外来予約はされたのだが、予約日に来院されず、今に至るも来院がないのですが」とのこと。慌ててご本人の携帯に電話しました。

 

曰く、それまでかかっていたクリニックの先生に膵臓に腫瘍が見つかって云々と訴えたら、それならここで血液検査をしてあげると言われた。検査の結果、膵臓はどこも悪くはないから3ヶ月後にまた検査をしましょうと言われたとのこと。今度の検査予定は10月になっていますと。

 

筍診療所に今一度来るよう伝えました。あなたの膵臓のしこりは悪性か良性かはいまだ断定が付いていない。早急に確定診断のための精密検査を受けなければいけないことだけは確かなことです。1日も早く病院を受診してください。白黒をつけなければ駄目です。もしもそのしこりが癌だとしたらこの3ヶ月が取り返しのつかない事態となりますと。

 

なるべく早く受診するようにしますと言って帰られました。それにしてもエコー検査やCT検査までして、さらなる精密検査をするために、他の医療機関に紹介待機している患者さんに、血液検査をやることなど意味のないこと、しかもそれが正常だから3ヶ月後にまた採血をなどと、患者さんの囲い込みを図る。いったい何を考えてのことか?

 

どういう精神状況となれば、こんな馬鹿げたことができるのか。我にはよう判らんのです。

 

みなさん、医者を選ぶのも寿命のうちでっせ。

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