第百七十六話:『ちちははの記』

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ちちはは老いたまふ

ちちはは腰曲がりたまふ

背戸の茶の木畑に

夕日翳りて

ちちはは小さく見えたまふ

その息子不孝者にして

肋膜なんぞわずらひ

六尺に寝そべり

指鳴らすわざ

習はむとすれど

その指痩せたれば

なんでふぱちりと鳴るべきや

 

新美南吉 作

 

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