いまや健康食品の市場は2兆円を超えると言われます。この2兆円が全く無駄なお金となると全く溜息が出ます。

 

「Journal of the American College of Cardiology」6月5日号に掲載された研究によれば、2012年以降に発表された179件のランダム化比較試験(Randomized  Control Study ; RCT)のメタ解析から、マルチビタミンやカルシウムなどの人気のサプリメントは、心血管疾患の予防や全死亡の抑制には何の役にも立っていないことが証明されました。

 

カナダのトロント大学栄養科学教室のDavid Jenkins博士らは、心血管疾患の転帰および全死亡率とサプリメント摂取の関連性を評価するため、既存のデータから対象とするRCTを同定しました。同氏らは2013年および2014年の米国予防医学専門委員会(USPSTF)のガイドラインを含む2012年1月~2017年10月に英語で発表されたシステマティックレビューやメタ解析、RCT論文を収集し、基準を満たした179件のRCTを対象にメタ解析を行いました。

 

この結果、米国で最も普及している4種類のサプリメント(マルチビタミン、ビタミンCおよびD、βカロテン、カルシウム)による心筋梗塞や脳卒中、その他の心血管疾患の予防効果や全死亡リスクの低下の効果は認められませんでした。それどころか、抗酸化物質のサプリメントの摂取者では、全死亡リスクがわずかですが有意に上昇したほか、ナイアシン(ビタミンB3)のサプリメントでも全死亡リスクの上昇が示されました。

 

今回の研究論文の筆頭著者であるJenkins博士は、「最も重要なのは健康的な食事を取り、サプリメントに頼らないことだ」と強調しています。その上で、「(野菜や果物、豆類などの)植物由来の食品をベースにした食事は、健康に大きなベネフィットをもたらすし、ベストな食事だ」としています。Freeman博士もこれに同意し、「植物由来の食品を豊富に含んだ健康的な食事を取れば、サプリメントを使用しなくても必要な全ての栄養素を十分に摂取できる可能性が高い」と指摘しています。

 

安易に健康食品やサプリに頼ることなく、もう少し賢く健康を追求してみませんか?

 

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