元旦に(一部改編) 門松を飾ることも 雑煮をたべることも 賀状を出すことも 実は 本当を言えば なにを意味しているか よくは判らない しかし これだけは判っている 人間の一生が 少々長すぎるので 神さまが …
あいつが私を苦しませる あいつが私を傷つける あいつが私を打ちのめす あいつが私を不孝にする あいつのせいにしていると 私はあいつに閉じこめられる 私がだれかを憎むとき 私は私を…
いうてんか すきなら すきと いうてんか いけずを せんと いうてんか いうてんか いやなら いややと いうてんか きイ もたさんと いうてんか いうてんか やんぺなら やんぺと…
訪れる度毎に合掌して迎えて下さる 寝たきりの老婆の眼には仏が宿る 往診をさせて頂く二人の婆の眼 それぞれに違った人生を歩んできたその眼に 寸分違わぬ気配が静かに息衝く 深く窪んだ眼窩の奥に確か…
たったいま死ぬかもしれない こころの底からそう思えれば あらそいもいさかいもしたくなくなる 死ぬことはこわくなくなる 安らかに生きていければ こころはいつもふらふらしている こころはいつもふるえている ここ…
ちちはは老いたまふ ちちはは腰曲がりたまふ 背戸の茶の木畑に 夕日翳りて ちちはは小さく見えたまふ その息子不孝者にして 肋膜なんぞわずらひ 六尺に寝そべり 指鳴らすわざ 習はむとすれど その指痩せたれば …
微かな記憶がある いまはもう遠い昔のこと なんの衒いも邪心もなく 眠りに落ちたある一瞬に浮かぶ あの奇跡のごとき振る舞い 微かな記憶がある いまはもう遠い昔のこと 誰に向けての笑みでもなく ただただ純真無垢…
きのうは悔恨 きょうは混沌 あした あしたは あしたこそ あしたからは あしたになれば きっと・・・ きっと・・・
8月11日はスーパームーン、月が地球に接近する時と満月が重なるもので、科学用語では「PERIGEE MOON」ともいうらしい。この日の月は今年最も大きく見える満月で、午前2時43分には月が地球に今年最も近づ…
「芸術は目に見えない空気、言い換えれば、感じである。形に見えざる空気の描写、空気の醸成が感じ得られて、見るものをして恍惚たらしむるものが、芸術という呼称を許されるのだ」 「いったい何によらず。味の感覚と形の…