第百六十五話:『老いを考える;その弐』

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老いに関する七つの法則

1.     寿命は遺伝的素因と深い関係がある

2.     雄は雌より寿命が短い

3.     寿命は食事の影響が大きい

4.     死の確率は加齢とともに対数的に増加する

5.     加齢は外的ストレスへの予備力を低下させる

6.     細胞の老化より臓器の老化のほうがより顕著に現れる

7.     老化の程度は臓器の差、個体差が大きい

 

法則その一;寿命は遺伝的素因と深い関係がある。これは数年前の厚生労働省による長寿のひとたちを対象とした全国調査からも明らかです。百歳以上の長寿のひとたちの両親もやはり長寿であった例が多く、いわゆる長生きの家系には長生きするひとが多く生まれるという結果。特定の食べ物に格別の注意を払うひとは少なく、好き嫌いはなく、何でも満遍なく食べるひとが多かったという結果。マスコミに踊らされて、あれがいいとか、これがいいとか、まるで気がふれたがごときに奔り回る昨今の風潮が嘆かわしいですね。

法則その弐;雄は雌より寿命が短い。平成25年度の日本人の平均寿命は、男性が80.21歳、女性が86.57歳、ほぼ七年の開きとなっています。昭和25年度は男性59.6歳、女性63.0歳と三年ちょっとの開きでした。大きく水をあけられてしまいましたなあ。生まれながらに雌はしぶといのです。強いのです。抗ってはなりませんな、どうせ勝てやしませんから。

法則その参;寿命は食事の影響が大きい。飽食の時代の戦後生まれは、いまの高齢者ほどの長生きは望めぬであろうとの予測があります。ネズミを使った実験でも、やや控えめな食事で飼育したネズミがもっとも長寿で栄養不良と飽食群では短命になる傾向がはっきりと出ています。「バランスの取れた食事を腹七分目」、そして「脂肪と塩分とカロリーは控えめに」がよいのでしょうね。

法則その四;死の確率は加齢とともに対数的に増加する。これは説明するまでもないことですね。「正月は冥土の旅への一里塚」ではなく、死の確率は年とともに倍々ゲームで上がっていくのです。正月ごとに有効期限が一年の遺書を仕上げるというのは如何ですか。

法則その五;加齢は外的ストレスへの予備力を低下させる。年をとると外の変化への対応が遅れ易く適応しにくくなるものです。環境の激変は、時に惚けを顕在化させ、ときには死の危険さえあるのです。年を取れば誰でもだんだんと変化を好まなくなり、男性は頑固、迷妄、怒り易くなり、女性は論理的思考が苦手となり空間的把握も下手になります。だからでしょうか、良い歳こいた猪八戒がごとき婆が「ヨン様、ヨン様」などと騒ぎ立てるのは。男も女も特徴的な変化がよく出ます。

法則その六;細胞の老化より臓器の老化のほうがより顕著に現れる。細胞の機能的集合体である臓器のほうが老化はより顕著により速く現れるのです。細胞ひとつひとつの死はアポトーシスとネクローシスという二つの死の形式があります。オタマジャクシのしっぽが蛙になると落ちてなくなるというものがアポトーシス、怪我や血行障害で細胞が死ぬのがネクローシス(壊死)。衰えやすい臓器は、脳、眼、耳、歯、軟骨と骨、そして血管。「ひとは血管とともに老いる」のです。血管の老化を予防すること、これが最重要課題です。そのためには、糖尿病、脂質異常症、高血圧症にならぬよう生活習慣を整えることです。

法則その七;老化の程度は臓器の差や個体差が大きい。神様は公平ではありませんな。割に早くから年老いていくひとやら、若々しくてとても実年齢には見えぬひとまで、ひとさまざまです。

最後に、一休禅師のお言葉を。

「人間、死ぬる時節には死ぬるが良かろう」

 

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